今回の震災で特徴的なのは、大変巨大な津波が発生し、街一つをまるごと壊滅させてしまった、という点です。沿岸の自治体のいくつかは、市役所、あるいは町役場の建物すべてが津波の被害にあい、機能を喪失しているとの報道もあります。
私が通信とITという切り口から考えて最も懸念するのは、それらの自治体が保管していたデータは大丈夫か?という点です。そして、コンピュータシステムのサービス再開までどれだけの時間がかかるのか?という点も非常に重要です。
地方自治体は様々なデータを保管、管理しています。皆さんが最も身近な、「区役所に住民票を取りに行く」、といった行政サービスも、住民票のデータはコンピュータに保管されています。
今回の津波によって機能を失ってしまった自治体が保管していたデータはどうなってしまったのでしょうか?現在は、取りあえず救助と様座な支援が必要なフェーズですが、住民の何方が無事で何方が被災されたかと言う確認には、基本となる住民台帳のデータが不可欠です。
被災した地方自治体が、本庁内のコンピュータ室にのみ、データを保管していた場合、それらの行政データを回復するのは不可能です。また、行政が業務を再開しようとした場合、コンピュータシステムを一から再構築しなければなりません。それらには多額の費用と時間がかかります。
では、どうすれば災害に強い自治体、災害にシステムを作れるのでしょうか?私は、そのヒントは「クラウド」にあると思います。1月31日のブログで「自治体クラウドセミナー」についてご報告をさせていただきました。自治体のコンピュータシステムを出来る限りクラウド化しておけば、災害にあった自治体の行政データは、遠隔地にあるデータセンタに保管されているので消滅してしまう事はありません。
また、行政サービスを再開する場合でも、クラウド化かれたシステムであれば、ほとんどの作業はインターネットに接続されたパソコンで出来るようにする事も可能です。
災害が発生しても、取りあえずインターネットに接続されたパソコンさえあれば、その場で臨時市役所や町役場を再開させる事も出来ます。これは、システムを一から再構築するよりも、はるかに安く、早く業務を再開できます。
ビジネス用システムの世界でも、アメリカで発生した911テロでニューヨークのWTCが崩壊した際、データを遠隔地にバックアップしていた企業は素早く業務を再開できました。一方、WTCと共に、データとコンピュータシステムが消失してしまった企業については、長期間の企業業務の停止を強いられました。
行政の場合は、人命に関わる業務も沢山あります。激甚災害にあっても、一刻もはやく行政サービスは再開させなればなりません。そのためにも、災害に強いシステムの構築は必要不可欠です。
私達が住む福岡市のコンピュータ・システムはどの様な災害対策が施されているのでしょうか。私は、お立場を頂きましたならば、ぜひその点を過去12年間のコンピュータシステムの提案・営業の経験を活かしてチェックしていきたいと考えています。人の命に関わる問題です。妥協しないで徹底的にチェックしていきたい。そのような仕事を通して、ぜひ市民の皆様の生命と安全を守る、という市議会議員のミッションを遂行していきたいのです。
参考:日刊しぶやたかとき 「自治体クラウドセミナー」
http://local.election.ne.jp/shibuya/12939.html
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災害に強い自治体のコンピュータシステムを作る方法
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