平成25年3月8日招集
第1回棚倉町議会定例会提出議案町長説明要旨【全文】
本日ここに、平成25年第1回棚倉町議会定例会を開催するにあたり、議案の説明に先立ち、25年度の主な施策の一端を申し上げ、議員各位をはじめ町民の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
本町の25年度予算編成にあたりましては、国の予算編成基本方針と地方財政計画の内容並びに、県の市町村予算編成指針を踏まえ、24年度決算見込みに基づき編成したところであります。
我が国の経済は、昨年12月の政権交代により、デフレ脱却への期待感から為替相場は円安にシフトし、株式市場が活況を呈するなど、景気回復への兆しが見えますが、円安による石油製品の高騰などのマイナス要因も散見され、さらにはTPPや社会保障と税の一体改革、消費税率の引き上げなど、景気動向に大きく影響する問題が山積しており、本格的な景気回復にはまだまだ時間がかかるものと思われます。
このような情勢から、本町の財政運営も引き続き厳しい状況が予測されますが、国・県補助金及び自主財源等の歳入財源の確保に努めるとともに、さらなる事務事業の見直し等の歳出削減に取り組み、第5次棚倉町振興計画に掲げた諸施策を積極的に実施しようとするものであります。
平成25年度の主要な事業並びに施策について御説明申し上げます。
第1に、「輝きつづける人づくり」についてであります。まず、幼児教育につきましては、就学前の人格形成と生きる力の基礎を育むため、幼稚園における幼児教育の充実に努めてまいります。東日本大震災で被災した棚倉幼稚園園舎については、去る2月に新園舎を開園し、新しい時代にふさわしい子どもたちの学習の場として有効活用するとともに、預かり保育や幼稚園バスの運行、支援員の配置等を実施し、幼児教育環境の充実に努めてまいります。
次に、学校教育につきましては、人間形成にとって重要な知識・技能、関心・意欲、態度を習得する重要な時期であることから、創意工夫した特色ある教育により、生きる力と思いやりの心を培う教育を推進してまいります。
また、新たな課題に対応した教育として、学ぶ目的を明確に持たせるためのキャリア進事業、基礎的・基本的事項を身につけさせる学力向上推進事業、そして規範意識の確立と教育相談の充実を図るための生徒指導推進事業に努めてまいります。
次に、生涯学習の充実につきましては、近年、生涯学習に対する要求は、ますます多様化し、高度化の様相を強めており、引き続き各種学級や講座等を開催しながら、子どもから高齢者まで幅広い学習機会の提供に努めてまいります。
なお、生涯学習の拠点施設の一つとして整備を進めております社会教育複合施設整備につきましては、全体工事の45パーセントが完了しており、現在、屋根工事と内外装工事を行っているところであり、今後、5月23日の完成をまって7月1日にオープンを予定しているところであります。
また、棚倉町総合体育館耐震補強改修工事につきましては、福島県建築物耐震改修計画評価委員会より、適正である旨の評価書をいただき、去る2月28日に工事の入札を予定しておりましたが、当該入札に係る談合情報が新聞に掲載されたことから、入札を延期して事実関係の確認を行ったところ、談合の事実はないとの判断に至り、3月1日に入札を執行したところであります。
第2に、「共に生きるふれあいづくり」についてであります。
まず、母子保健事業につきましては、出産にかかる経済的な負担を軽減し、安心して出産できる環境づくりのために、出産までの妊婦健診費用15回分の補助を行い、妊産婦・乳幼児の健康診査や育児相談・指導を実施してまいります。
次に、予防接種事業につきましては、乳幼児、児童、生徒をはじめ、高齢者のインフルエンザ予防ワクチンなど各種予防接種を行っておりますが、中学生の女子生徒を対象に実施しております子宮頸がん予防ワクチン接種や、乳幼児を対象としたヒブワクチン接種、及び小児用肺炎球菌ワクチン接種は、現在、任意接種から定期接種化するための法案が国会で審議中であり、法案の成立をまって今後は、町単独での全額助成を行うことになります。
さらに高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンの接種に対する助成についても、25年度も引き続き65歳以上の高齢者を対象に実施することにしており、肺炎球菌による高齢者の肺炎予防等、各種予防に努めてまいります。
次に、予防事業につきましては、健康の保持と疾病の早期発見のために住民健診や各種がん検診等を実施しておりますが、特定健診の結果に基づいた積極的支援該当者や動機付け支援該当者に対して、引き続き保健師、栄養士による特定保健指導を行い、生活習慣病の予防や重症化予防に努めてまいります。
また、町民一人ひとりが主体的に健康づくりに取り組めるよう健康教室や、栄養士、食生活改善推進員による食生活・栄養改善指導にも力を入れてまいります。
次に、児童福祉につきましては、子ども達に健全な遊びの場を提供し、健康の増進と豊かな情操を育むことを目的として開設しました子どもセンターは、自由来館、親子ふれあい教室などの各種子育て支援事業をとおして、多くの方々にご利用いただいております。 また、子どもセンター内に開設しているファミリーサポートセンターは、会員同士がお互いに助け合う組織として定着しており、今後も、会員の皆さんが安心・安全に活動するための環境を整えながら子育ての支援をしてまいります。さらに、保護者が昼間家庭にいない小学1年生から3年生を対象に、子どもセンター及び各小学校において実施しております棚倉児童クラブ、社川児童クラブ及び近津児童クラブにつきましては、25年度も学校のご協力をいただきながら実施し、安心して就労できる子育て環境の充実に努めてまいります。
次に、児童手当につきましては、24年度から児童手当法の一部が改正され、3歳未満の児童1人につき月額1万5,000円、3歳以上小学校修了前の児童で、第1子及び第2子の児童については1人につき月額1万円、第3子以降の児童については1人につき月1万5,000円、中学生の児童については1人につき月額1万円が支給されることとなっております。
なお、新たに所得制限制度が導入され、限度額以上の場合は、月額一律5,000円の支給となっております。
次に、子どもの医療費につきましては、24年10月1目から無料化の対象を中学生までであったものを18歳まで拡大して実施しておりますが、安心して子育てができる環境づくりや、充実した子育て支援のため、25年度においても無料化を実施してまいります。また、ひとり親家庭医療費の給付事業も引き続き実施してまいります。
次に、高齢者福祉につきましては、第5期高齢者福祉計画及び介護保険事業計画に基づき、引き続き保健福祉センターを活用し、閉じこもり予防及び寝たきり防止のため、生きがい活動支援通所事業、並びに高齢者筋力トレーニング教室などの介護予防事業に取り組んでまいります。
また、一人暮らしの高齢者などを対象に配食サービス、緊急通報体制の整備、軽度生活援助、住宅改修資金助成などの在宅福祉事業も引き続き実施してまいります。
次に、障がい者福祉につきましては、重度医療費の助成をはじめ、目常生活用具の給付や精神障がい・身体障がい・知的障がいのある方が自立した社会生活が送れるよう、介護給付、訓練等給付、自立支援医療、補装具等の自立支援サービスの推進に努めてまいります。
また、療育支援にっきましては、身体機能に障がいがあり、発育の遅れがある児童や発達障がいを持つ児童などを支援している通所施設「すぎのこ園」が、利用者の増加により手狭になったことから、近津幼稚園の空き教室を活用した新たな通所施設を立ち上げるため、現在、社会福祉法人に依頼しているところであり、今後、県の認可を得て支援してまいります。
第3に、「人・物の流れをつくる産業づくり」についてであります。
まず、一昨年の東日本大震災とそれに伴う東電の原発事故がもたらした放射性物質の拡散は、本町をはじめ広範囲に多大な被害をもたらし、これに伴う風評被害の深刻さは、大変憂慮されるところであります。この風評被害の克服には、長い時間と多くの労力が必要とされることから、本町では、昨年度に引き続き米の全量全袋検査や、農産物等の簡易検査を実施することにより、出来ることを一つずつ積み重ね、消費者の安全・安心に対する信頼の回復に努めてまいります。
次に、農業振興につきましては、原発事故に伴う風評被害等による農産物価格の低迷、担い手の減少や高齢化の進行による農業生産基盤の脆弱化、遊休農地の拡大など多くの課題がある中で、JA東西しらかわが直売所を開設し販売方法の多様化を図るなど新たな事業も展開されてきております。このような状況を踏まえて25年度は、国が推進する人・農地プランを積極的に活用し、担い手育成などの基盤作りや協議の場を提供することにより、課題の克服に向けて取り組みを進めてまいります。
また、棚倉町農業再生会議や関係機関、団体と連携・協力し、引き続き生産体制や生産基盤の充実・強化に取り組み、意欲ある担い手の育成や発掘、優良農地の保全を図り、イチゴやトマトなどの産地化と効率的・安定的な農業経営を確保し、魅力と活力のある本町農業の確立に努め、県の補助事業を活用した遊休農地対策を実施してまいります。
次に、本町農業の核となる水田農業につきましては、消費者や市場重視の考えに立ち需要に即した米作りを推進することにより、水田農業の安定と発展を図ってまいります。
昨年度の戸別所得補償制度から名称が変更となる経営安定所得対策制度を推進し、JA東西しらかわや集荷業者と連携を図り、生産調整の実施について各農事組合を通じて、生産農家の理解と協力を得ながら生産目標数量の達成に努めてまいります。
また、24年度は、東日本大震災の影響で作付できない地域との地域間調整を活用し、大きな成果が得られたことから25年度においても、経営安定所得対策制度の.IG'及と加入促進に努めてまいります。
次に、有害鳥獣対策につきましては、イノシシによる農産物に対する被害が拡大している中で発生した原発事故に伴う放射性物質の影響や狩猟登録者の減少などの要因もあり、イノシシの捕獲頭数が減少していることから、24年度に引き続きイノシシ捕獲に対する報償金を計上し、個体の捕獲調整を関係団体と協議しながら進めてまいります。
次に、農村環境の向上対策につきましては、高齢化や混在化の進行により農地や農業用水などを守る地域のまとまりが弱まっており、良好な農村環境の形成や環境を重視した農業生産への取り組みが求められている中で、農地・水・環境の良好な保全と質的向上を図ることが重要であります。25年度においても農地・水保全管理支払交付金事業へ取り組む意欲ある集落組織に支援を進め、資源を良好に保全しながら農村環境の向上に努めてまいります。
また、中山間地域などの農業生産条件が不利な地域における、農業生産者を支援する中山間等直接支払制度への取り組みを支援してまいります。
次に、林業の振興につきましては、棚倉町森林整備計画において、水土保全と資源の循環活用、さらには、森林と人との共生を重視した森林整備を推進することとしております。25年度は、これらを推進するため国・県補助金等の導入を図り、下刈や除・間伐等の保育事業、及び森林の景観を保持するため、松くい虫の防除についても引き続き計画的に実施し、県の森林環境税を活用した啓発事業や重点枠の活用にも取り組むほか、森林資源の保全と水源の瀕養にも努めてまいります。
次に、商工業の振興につきましては、東日本大震災からの復興と原発事故に伴う風評被害の克服を目指して、福島県ブランド・イメージ回復支援市町村交付金を活用しながら関係団体と協力・連携を図り各種事業を進めてまいります。
また、中小企業向けの商工業者経営合理化資金融資制度による融資枠については、2億円を確保し、制度利用者の借入時における信用保証料の補助をすることによる金融支援を実施することとしており、国・県で実施する制度資金や保証制度と併せて、商工業者に対する金融面からの支援を強化してまいります。
次に、企業誘致につきましては、昨今の円安、株高など国内の経済動向は上向く傾向にあり、県内における企業誘致活動も企業立地補助金や優遇制度などが功を奏し、活発化あるいは具体的な動きが出てきているところであります。本町におきましてもこれら国・県の優遇制度と併せて町の優遇制度をPRしながら企業誘致に努めてまいります。
次に、雇用対策につきましては、一部業種を取り巻く環境や震災復興関連事業の増加などにより雇用環境が改善傾向にあり、有効求人倍率も昨年同期と比較してかなり改善傾向にありますので、引き続きその動向を注視してまいります。町が開設しております無料職業紹介所においては、非正規雇用や有資格の求人が多いなど、求人と求職が結びつかない状況も多くあり、ハローワーク白河と連携しながら、求人の掘り起こしと求職の相談を行ってまいります。
また、25年度も緊急雇用創出基金事業に取り組むこととしており、これら補助事業等を活用しながら、町としましても雇用の確保に努めてまいります。
次に、観光につきましては、東日本大震災や原発事故による入込み客数が大幅に減少しており、福島県ブランド・イメージ回復支援市町村交付金を活用した風評被害対策や県が実施する大型誘客キャンペーンなどと連携し、また、町の観光ホームページやフェイスブック等の充実を図り、積極的に観光PR活動等を推進することにより、ルネサンス棚倉や山本不動尊を核とした観光客の誘客に努めてまいります。
第4に、「豊かな水と緑のくらしづくり」についてであります。
まず、再生可能エネルギー関係につきましては、引き続き住宅用太陽光発電システム設置に対する補助を継続するとともに、県補助事業を活用して棚倉中学校、社川小学校、近津小学校、役場庁舎に太陽光発電と蓄電池を備え、停電時の防災拠点となるよう整備してまいります。
次に、放射能対策につきましては、除染計画に基づき優先地域である高野地区の除染事業に取り組んでおりますが、高野小学校につきましては、今月までに終了する予定であり、一定の除染の効果が確認されているところであります。
また、戸中地区につきましても、雪の影響により遅れている状況ではありますが、5月中の完了を目指し実施しているところであり、25年度につきましても公共施設をはじめ、漆草・俵内・高松平地区、山本キャンプ場及び山本不動尊周辺について順次、除染事業に取り組んでまいります。
次に、公共下水道事業につきましては、24年6月議会でご報告したとおり、事業認可区域188ヘクタールの事業期間が24年度で終了することから、これまでの事業の進捗状況、整備済み区域の下水道接続率及び浄化センターの日平均稼働率、さらには今後の整備区域の選定と事業費に係る財源や財政負担等を踏まえ、当分の間、管渠整備に限って休止期間を設けることとしました。また、下水道の接続につきましては、24年9月現在の接続率が、公共下氷道で52.2パーセント、農業集落排水で63,9パーセントであることから、引き続き接続に対する理解を求めるとともに、浄化槽整備対象地区についても、設置費助成の継続により全町水洗化を進め、公共水域の水質改善に努めてまいります。
次に、上水道事業及び簡易水道事業につきましては、東日本大震災以降の余震及び管路等の老朽化により水道水の有収率が低下しているため、漏水調査の実施により、有収率の向上に努めるとともに、水道事業の運営については、さらなる経費の削減や、事業の効率化に努めてまいります。また、高野西部簡易水道施設につきましては、ろ過装置を設置し水質改善に努めてまいります。さらに、原子力災害対策として、瀬ヶ野及び山岡簡易水道のろ過砂の入れ替えにより、安全安心な水道水の供給に努めてまいります。
次に、町営住宅の維持管理につきましては、23年度に策定した棚倉町町営住宅長寿命化計画を基本として、既存住宅の修繕、改善等の実施について棚倉町振興計画実施計画との整合を図りながら、安全に安心して暮らせる町営住宅の整備に努めてまいります。
なお、25年度に交付金事業により予定をしておりました公営住宅等ストック総合改善事業による小山下団地屋根葺き替え工事につきましては、去る1月11日に閣議決定された日本経済再生に向けた緊急経済対策に伴う、国の24年度補正予算の内定通知があったことから、今後工事実施に向け手続きを進めてまいります。
次に、東日本大震災による被災者に対する住まいの再建支援策の一つとして平成24年2月より取り組んでおります日向前ニュータウン分譲地の7割引販売につきましては、被災地の復旧・復興が進まない中で、避難を余儀なくされている方々の中には、生活再建の見通しが立たない被災者も多くいることから、これら現状を考慮して、さらに1年間の延長を決定したところであります。
また、一般者向けとして平成24年11月20日に開催しました建設経済常任委員会における意見交換を踏まえ、既購入者の理解を得られたことから平成25年4月1日より、5割引きにて残区画の販売促進に努めてまいります。
次に、県が実施する治山事業につきましては、要望のあった4地区10箇所すべてにおいて地元説明会を終了しており、保安林の指定を受け事業に着手することになりますが、25年度の事業予定は2地区3箇所となっております。
次に、治水対策につきましては、土石流危険渓流の安全確保を図るため、県が進めておりま
す大梅地区のボンケラノ沢砂防工事の事業促進について、引き続き県に対して要望活動を展開
してまいります。
次に、河川改修につきましては、県が進めています国道118号棚倉バイパス第4工区の改良事業に関連した八槻地区の近津川改修工事として、宮橋の上流及び下流の護岸工事を実施しているところであります。
また、町においても継続事業として中心市街地の西側を流れる車堀の改修整備に取り組み、良好な河川環境の維持と久慈川第6排水区域の雨水排水対策を進めてまいります。
次に、防災・消防関連の主な事業につきましては、まず、地域防災計画の改定事業であり、これは東日本大震災を踏まえ、県においても24年度において改定されたところであり、本町においても25年度に見直しをするものであります。
また、第6分団第3班、小型動力ポンプ付積載車更新事業、さらに地震防災緊急事業5箇年計画に基づく、耐震型貯水槽3基の設置工事を計上しており、消防体制の基^y.強化を図ってまいります。
なお、棚倉町消防団女性班が福島県代表として消防操法全国大会への出場を決定し、既に練習を開始しているところであり、全国大会への出場が消防技術の向上と士気の高揚を図り、さらには、地域における消防活動の充実に寄与することを期待しております。
第5に、「安心・快適な社会基盤づくり」についてであります。
まず、町道の整備につきましては、前年度に引き続き、国の補助事業である社会資本整備総合交付金事業により、段河内平塩線道路改良工事、さらには、新規事業の玉野逆川線歩道整備工事に取り組んでまいります。
また、去る1月11日に閣議決定された日本経済再生に向けた緊急経済対策に伴う、国の24年度補正予算において、道路ストックの老朽化対策として舗装修繕事業、及び通学路の安全対策として緊急合同点検の結果を踏まえた通学路対策事業の要望をしたところ、国からの内定通知があったことから、今後、工事施工に向けた手続きを進めてまいります。
また、町単独事業として、前年度に引き続き、辺地対策総合整備事業により瀬ヶ野梁森線、瀬ヶ野梁森2号線の道路改良工事、及び富岡三森線道路改良工事をはじめ、側溝修繕等の維持補修やその他地域からの要望に取り組み、生活路線の安全性と利便性の向上を図ってまいります。
次に、国県道の整備状況につきましては、毎年、県南建設事務所が主催する事業調整会議において、道路改良及び歩道整備等の要望を実施しているところであり、目常生活における安全で円滑な交通環境の確保に努めているところであります。
現在は、国道118号大宮工区歩道整備事業をはじめ、県道黒磯棚倉線日向前工区歩道整備事業、及び県道八溝山線大梅地内道路改良事業等の事業が進められておりますので、早期に完成が図られるよう引き続き強く県に要望してまいります。
第6に、「協働と交流のまちづくり」についてであります。
まず、八溝山周辺地域定住自立圏構想につきましては、栃木県大田原市が、福島県、茨城県にまたがる棚倉町を含む2市6町を圏域とし、中心市の都市機能と周辺市町の農林水産業、自然環境、歴史、文化などそれぞれの魅力を活用して、相互に役割分担し、連携・協力することにより、圏域全体で必要な生活機能を確保し、人口定住を促進しようとする中心市宣言を3月4日に行いました。今後、関係市町の中で、連携した取り組みの検討が行われ、内容がまとまると議決を経て、協定へと進むことになります。
次に、風評被害等からのイメージ回復のためのアイデアを募集したところ、各方面から町や町産品のPR、観光、交流、各種キャンペーンやイベント事業など様々なアイデアをいただき、大変ありがとうございました。これらのアイデアを活かしながら、25年度は、町として観光客の誘致、イメージアップビデオの作成、物産振興、わくわくフェスタ開催などを行うこととし、さらに、町内外へ向けた風評被害払しょくのための住民活動に対し、補助制度を創設することで、民間レベルでの活動に期待することとしたところであります。
次に、第5次棚倉町振興計画につきましては、目標年次まで残すところ2箇年となり、引き続き「北緯37度自然・歴史人が輝く棚倉町」を目指して、まちづくりを進めてまいりますが、25年度から第6次となる新棚倉町振興計画の策定に着手することとなり、町民の皆さんの意見を聞くことに努め、策定作業を進めてまいりたいと考えております。
次に、提出議案について御説明申し上げます。
今定例会に提出いたします議案は、専決処分の報告が1件、24年度補正予算に関する議案6件、条例の一部改正に関する議案8件、条例廃止に関する議案1件、条例の制定に関する議案10件、辺地計画の変更に関する議案2件、25年度一般会計予算及び特別会計・事業会計予算の当初予算に関する議案10件、工事請負契約締結議案1件の総数39件であります。
まず、当初予算関係議案につきましては、只今、主要施策について申し上げたところでありますが、町政の根幹をなす25年度一般会計予算規模は、歳入歳出予算の総額を、59億1,600万円とし、前年度当初予算に対して、0.6パーセント増額の予算としたところであります。
この主な歳入財源としては、町税18億2,238万円、地方譲与税6,329万8千円、地方消費税交付金1億4,472万7千円、地方交付税14億1,629万7千円、国庫支出金4億2,728万7千円、県支出金10億7,736万4千円、諸収入2億2,161万4千円、町債は、臨時財政対策債を含めて5億3,976万5千円を充てるほか、人材育成基金、福祉基金及び震災復興基金などより、4,222万3千円を取り崩すことといたしました。
次に、一般会計以外の国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、簡易水道事業、公共下水道事業、農業集落排水事業、宅地用地取得造成事業及び霊園整備事業などの特別会計につきましては、総額31億7,503万6千円を計上いたしました。
主な特別会計、事業会計でありますが、まず、国民健康保険特別会計につきましては、予算総額が15億7,774万4千円となり、前年度当初予算対比0.6パーセントの減となります。なお、予算の編成に当たっては、国の指針に基づき過去の実績や近年の動向を踏まえ、前年度実績見込額に一定の伸び率を乗じ算出いたしました。
次に、国民健康保険税現年分につきましては、今年度当初予算は前年よりも464万6千円減額の3億7,948万9千円とし、前年度当初予算対比1,21パーセントの減となりますが、毎年6月の本算定時になりませんと、被保険者数や応能割課税の基礎となる総所得等が確定されませんので、現時点では、24年度課税べ一スによる暫定的な収入見込額として計上しております。
なお、本予算案につきましては、2月21日に開催しました国民健康保険運営協議会に諮問し、原案に異議のない旨の答申を受けておりますので、御報告を申し上げます。
次に、後期高齢者医療特別会計につきましては、予算総額1億2,264万円となり、前年度当初予算対比3.5パーセントの増となりました。これは被保険者数及び所得の増加を見込んだもので、被保険者の保険料については前年同様、均等割で4万円、所得割率は7.76パーセントを基本とし、国民健康保険税と同様に、低所得者に対する均等割の軽減措置や被用者保険の扶養者について、一定要件の判定により実施されることとなります。
本町の事務処理につきましては、広域連合及び本町の後期高齢者医療に関する条例を基本に、広域連合と連携を図りながら、円滑な事務処理に努めてまいります。
次に、介護保険特別会計につきましては、予算総額11億288万4千円となり、前年度当初予算対比1,2パーセントの増となりました。
予算の内容につきましては、24年度から26年度までの3年間の第5期介護保険事業計画に基づく2年目となりますが、介護保険給付費準備基金の取り崩し活用などを行いながら、今後も介護予防事業などを積極的に展開し、安定した介護保険事業の運営に努めてまいります。
次に、上水道事業会計予算につきましては、収益的収入では使用水量の減少に伴い営業収益で0.1パーセント減額となっておりますが、営業外収益で漏水調査費用として町補助金が490万円の増額により3億9,273万2千円とし、収益的支出では3億7,279万4千円の計上をいたしました。
また、資本的収入及び支出につきましては、資本的収入で4,134万円、資本的支出で1億9,926万1千円となり、収支差し引き1億5,792万1千円の歳入不足となりますが、この不足額につきましては、当年度分消費税の調整額及び過年度分損益勘定留保資金により補填し、運営することとしております。
次に、報告第1号専決処分の報告につきましては、平成24年7月臨時会の議決を受けて工事請負契約を締結した農地等災害復旧工事(寺山第1)について、産業廃棄物処理費用の増加や、左岸の積石の老朽化、欠落等があり、出水時に堤防の決壊の恐れがあるためコンクリートで補強するため追加工事等が必要なことから、工事請負変更契約を専決処分したので報告するものであります。
次に、議案第2号棚倉町総合体育館耐震補強改修工事請負契約締結にっいてでありますが、総合体育館は、耐震性が確保されていない建物であることから、早急に耐震化を図り、安全で安心な施設に変えるため工事請負契約を締結しようとするものであります。工事の概要につきましては、鉄筋コンクリート地上2階、地下1階であり、延べ床面積5千409平方メートルの体育館について、既設屋根トラスの交換や、柱及び梁を切断して、地上高を下げ、荷重の軽減を図る耐震補強改修工事であります。
次に、条例改正等の議案につきましては、まず、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部改正に伴う棚倉町暴力団排除条例の一部改正、地方税法の一部改正に伴う棚倉町税条例の一部改正、災害弔慰金の支給等に関する法律の一部改正に伴う棚倉町災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正、道路法施行令の一部改正に伴う棚倉町道路占用料等条例の一部改正、中央公民館の取壊しなどに伴う棚倉町公民館条例の廃止、文庫基金の見直しに伴う棚倉町図書購入基金条例の制定、社会教育複合施設の完成を見据えた棚倉町立図書館条例の制定、新型インフルエンザ等対策特別措置法の制定に伴う棚倉町新型インフルエンザ等対策本部条例の制定であります。
また、地域主権改革一括法の施行に伴う棚倉町指定地域密着型サービス事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の制定、棚倉町指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例の制定、道路法の一部改正に伴う棚倉町町道に設ける道路標識の寸法を定める条例、棚倉町町道の構造の技術的基準を定める条例の制定、河川法の一部改正に伴う棚倉町準用河川に係る河川管理施設等の構造に関する条例の制定、棚倉町都市公園条例の一部改正、棚倉町移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定める条例の制定、棚倉町下水道条例の一部改正、棚倉町町営住宅条例の一部改正、棚倉町上水道事業の剰余金の処分等に関する条例の制定、棚倉町上水道給水条例の一部改正及び辺地に係る公共的施設の総合整備計画の変更議案であります。
次に、24年度の補正予算関係についてでありますが、一般会計につきましては、国の補正予算に関連するものが主であり、社会資本整備総合交付金事業による町道の舗装工事等をはじめとして、放射性物質吸収抑制対策事業、農業基盤整備促進事業、公営住宅等ストック総合改善事業、八槻コミュニティ消防センター移転工事、防災情報通信設備事業、近津小学校屋内運動場大規模改修事業等、追加事業費の増額及びこれらを含めた繰越明許費を設定する予算を計上しようとするものであります。
次に、棚倉町公共下水道事業特別会計補正予算につきましては、24年度事業の確定見込みに伴う計数整理、及び公共下水道管渠整備に係る国の補正予算に伴う追加事業費の増額、並びに繰越明許費を設定しようとするものであります。
その他の特別会計につきましては、主に、事務事業費の確定などによる計数整理のための補正であります。
以上が提出議案の概要であります。
25年度も原発事故に伴う除染対策事業に取組み、また、風評被害払拭の為の事業にも対応しなければならず、引き続き厳しい財政状況ではありますが、第5次棚倉町振興計画に掲げる「北緯37度自然・歴史人が輝く棚倉町」の実現に向け、職員一丸となって取組んでまいる所存でございますので、議員各位をはじめ、町民の皆様には、一層の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
議案の詳細につきましては、それぞれ主管課長より説明をいたさせますので、慎重御審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げ、提出議案の説明といたします。