ある方のお宅を訪問、最初は玄関口での話で済むと思っていたが、「まあ、まあ」と座敷に通されると、いろいろ話が弾んでしまいました。
その方は営農や組織経営などで、あちこちで話をする機会があり、時には海外へも行くそうです。今、自分の営農組織で新しい試みをいくつか始めたそうです。その一つが、稲作農業中心に法人化していくとどうしても若い男性が中心となり、高齢者や女性の出る機会が少なくなるので、一部の圃場を園芸作物に転換し、そこは高齢者や女性で管理してもらうのだそうです。昨年は、営農組織の夏祭りを開き、「大人たちのスイカ割り」と「流しそうめん」で、若手からお年寄りまでがたいへん盛り上がったそうです。
福井の農業は、兼業農家、しかも稲作中心の小規模経営が中心でした。近年は一発肥料や一発除草剤などの普及や機械化で稲作は主に水管理が中心で、昔ほどの苦労はなくなりました。逆に言えば、稲の葉色を見極めて追肥をしたり、穂先を見て管理することが少なくなって「農家が考える」ことが少なくなりました。楽に稲作ができるようになって、農業に力点がいっていなくて、米価が下がっても、「まあ、仕方がないこと」で済まし、米を作り続けてきました。
しかし、これからの農業は米消費量や米価のさらなる低迷、TPP交渉の進展などによって将来に大きな不安を抱えている中、農家が考え、『勝ち残ること』を考えていかなければ、危機を乗り越え、生き残ることができない時代になってきました。
そうした中、営農を考え、農業に従事する人材の育成や農村集落の活性化を図ろうとする人達がいることに頼もしさを感じました。
その他にも、街なかの自治会活動や人と人とのつながり、絆づくりなどの話もあり、長居をしてしまいました。
夕方、我が家の休耕田と畔の草取りに精を出しましたが、雑草は本当に成長が早く、人(自分)の成長が、あまりに遅いことを痛感してしまいます。
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勝ち残る農業
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